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2004年04月

食肉問題をめぐる近代畜産への疑問符

BSE(牛海綿状脳症)の発生に戦慄したと思ったら今度は鳥インフルエンザだ。家畜だけではない。養殖の鯉やニジマスも大量死が報道されている。昨年日本で発生した鯉ヘルペスでは、鯉をすべて処分せざるを得なかった霞ヶ浦の養鯉業者は全廃業したという。

人への感染阻止という理由から、発生現場では健康なものまですべて殺処分され、牛、鶏、鯉から新型肺炎SARSの感染源といわれたハクビシンまで膨大な数の動物が殺されている。鳥インフルエンザの二次感染が伝えられるカラスなど人間周辺の動物たちの存在も問題視され始めている。

元はといえば人間が生み出した人災だ。罪のない動物たちこそとんだ災難であり、申し訳なくやりきれないことだ。

養殖魚も牛も鶏も、すっかり脆弱になりウイルスや新種の病気で瞬く間に斃れてしまうようになった。反自然の工業的生産で安く大量に供給するという、効率と採算性だけで作り上げられた近代食料生産システムにいま大きな疑問符が付けられている。

1)鳥インフルエンザ発生

例のない同時多発

病原性の高い鳥インフルエンザ(鳥ペスト)が世界規模で発生している。さきごろオランダにも発生し、これで鶏肉の輸入停止となったのは15カ国・地域に及ぶ。過去にこのように広範な地域に同時多発した例はないという。国内では山口県、大分県、京都の養鶏場で感染が起き、大阪茨木市や京都府亀岡市のカラスの死骸からもウイルスを検出し、不安が高まっている。

環境の悪化で野鳥の抵抗力が低下

渡りをする野鴨などの水鳥はいく種類もの鳥インフルエンザウイルスを自然保有している。しかしウイルスに対する抵抗性(免疫力)を持っているため、健康であれば発症することはない。ウイルスは環境適応しながら変異をとげていくが、新たなウイルスによって発病するものがあっても、耐病性のあるものが生き残り、自然免疫を獲得して子孫に引き継いでいく。ウイルスの海のような自然界で生物が生き延びてきたのは病原体と接触することで免疫力を高めてきたからなのだ。

しかし、WHO(世界保健機関)によれば近年アジア全域で渡り鳥の大量死が発見されているという。おそらく環境の悪化や汚染が進んだ結果、野鳥の生命力が弱まり、ウイルスへの抵抗力を落としているためではないか。

今年1月国連機関が発表した報告書によれば、2050年までに全生物種の四分の一が絶滅すると予測している。温暖化の急速な進行もあるが、環境汚染が限界値近くまで来ていると見なければならないだろう。

鶏の群れの中で変異

鶏の大量死は低病原性のウイルスが人間に飼われている群れの中で短期間循環した後に強い病原性ウイルスに突然変異した結果と見られている。WHO(世界保健機関)によれば、米国で1983-1984年の流行時、当初低い死亡率であったのが、6ヶ月の間に強い病原性となり、90%近い死亡率を持つようになり、1,700万羽以上の鶏が殺処分された。イタリアでの1999−2001年の流行では9ヶ月以内に強い病原性に変異し、1,300万羽以上のトリが死亡ないしは処分されたという。

米国から始まった近代畜産方式は大規模生産が特徴で、養鶏農場の飼育羽数は数万単位だ。日本で感染大量死のあった浅田農産の農場は25万羽の規模だった。

タイや中国などの発生農場の映像を見るとやはり大規模、ケージ飼いである。輸出産業として鶏肉の大量生産が行われているからだ。

狭いケージでの密飼いと自然では口にしないような餌(薬漬け、共食い、廃棄物、組み換えトウモロコシなど)を与えられ、動物の生理を無視した虐待といえるような劣悪な環境で飼われている。大量密飼いの農場は得てして不衛生になりがちで、浅田農場の場合、糞や羽のこびりついたケージや鶏舎のまわりに積まれた何トンもの鶏糞の山がハエの群れを呼んでいたという。こういう環境に置かれた鶏たちが免疫力を低下させていることは想像に難くない。

人への感染

鳥インフルエンザは直接人間に感染しにくいが、人間や豚のように鳥と人のインフルエンザの両方に感染する動物の体内でミキシングし、鳥インフルエンザウイルスが人から人への感染力をもつ「新型ウイルス」に変異する可能性がある。

現在、専門家がもっとも恐れているのは人から人へと感染する新型が出現することだ。WHOは、「新型ウイルス」がもし大流行した場合、最悪のシナリオでは死者は5億人に達し、社会崩壊の危機となると警告している。

自然養鶏の危機

いま、野鳥からの感染を防ぐためとして外部と完全に遮断されたウインドレス鶏舎が奨励され、合鴨農法や自然養鶏に白い目を向ける風潮がでている。

しかし、野鳥との接触を完全遮断すれば感染は起きないと言えるのだろうか。ウイルスは空気中に常在し、また、体内にも保有している。それらのウイルスのどれかが免疫力の落ちた家禽の体内で、ある日、毒性のあるものに突然変異して襲いかかるということが起こり得る。ウイルスからの完全遮断など不可能なことだし、それよりも太陽や風に一生触れることなく、無菌の世界で飼うことは不健康をもたらし、さらに脆弱にするだけだと思う。

そうではなく、感染しても発病しない、免疫力を備えた健康な鶏をめざすことが唯一の根本的解決方法と思う。有機畜産、自然養鶏への転換が急がれるのだ。それなのに、放し飼いに近い環境で強健な鶏つくりを志してきた自然養鶏家たちの卵が売れなくなるところがでてきており、経営の危機に直面している。こうした流れこそ、食の非常事態ではなかろうか。

2)米国BSE(牛海綿状脳症)

危険部位をめぐるお寒い対応と解禁をめぐる日米交渉

昨年末に米国でBSEが確認され、日本政府は米国産牛肉の輸入禁止措置をとった。しかし米国側は日本に早期の禁止解除に向けた対応を迫ってきている。

米国ではここ数年、消費者団体が批判を強めていたのは機械的に分離された牛肉についてだ。骨周りの肉を機械でベルトと骨プレスを使って、骨から肉をそぎとったり、肉が付着した骨を押しつぶし、押し出し機を通じてペーストにする。これらを使って、ハンバーガーやホットドッグを作るのが通常である。しかし、そうした肉に危険な脊髄神経細胞片が含まれる可能性があり、米国政府はようやく12月30日に追加措置としてこれらの食用を禁止した。

この危ないくず肉が輸入されてきているが、その輸入実績について農水省は「調査中」と回答。のんびり調査などではなく、予防措置として超法規的に即刻冷凍ハンバーグなどミンチ肉製品の流通禁止と回収に取り組むべきではなかったか。

農水省は、1.危険特定部位の除去とBSE検査体制が整うこと、2.日本の需給状況、これらが輸入検討の要件としている。つまり条件が整えば輸入解禁を探るということなのだ。

国際獣疫事務局の基準

国際獣疫事務局の基準では、BSE発生国となった場合、最後の発生から7年間新たな発生がないことが確認されて清浄国と認められるまで輸出禁止となっている。これまでどの発生国もこの措置が取られている。安全性が確保されたという保証があるでもなく米国を特別扱いして協議を重ねている姿勢に不信感を禁じえない。米国が清浄国となるまで輸入禁止と突っぱねるのが筋というものだ。

米国は年間出荷頭数3500万頭のうち全頭検査を現行の倍の4万頭にすると発表。割合にして0.1%だ。なんとも微々たる量ではないか。農水省は米国に対し、日本向けの全頭検査は譲れないとしている。しかし、北林寿信氏によれば、「全頭検査」で安全とすることには問題アリという。FAOが現在の全頭検査では検査漏れがあると警告し、さらに厳格な検査方法がいま、求められている。異常プリオンの脳への蓄積が判定の基準だが、その前段階では検出されないからだ。日本の全頭検査ですら安全とはいいきれないというのに、まして日本とは比べ物にならない杜撰な米国の管理体制で安全確保を保証した検査が行えるのか、はなはだ心もとない。

米国の場合、肉骨粉の禁止を早くにしたと言っても依然数百もの違法使用の実態が報告され、牛の肉骨粉は豚、鶏に認めているため交差汚染の可能性もある。さらに起立・歩行困難なダウナー牛の検査・調査不備、闇市場への流入、危険部位除去方法の不徹底など米国のBSE規制はなにひとつ満足にされていないのが実態だ。また今回のBSE牛は歩行困難だったというのは虚偽報告であったとされ、この牛は普通に歩けたという証言がされている。であれば歩行困難な牛だけを対象とする検査では不十分ということだ。

さらに、米国各地でCJD(クロイツフェルト・ヤコブ病)患者の集団発生が報告されている。エール大学神経病理学科外科部門の研究チームの検討を含め複数の研究で、剖検によりアルツハイマー病あるいは痴呆症と診断されていた患者の3〜13%が実際はクロイツフェルト・ヤコブ病に罹患していたことが判明。米国では毎年アルツハイマー病と診断される患者が400万人、痴呆症患者は数十万人が発生していることから、最も少なく見積もって12000人以上のクロイツフェルト・ヤコブ病患者が検出されず、公式統計に含まれない可能性があるという。
実際、アルツハイマー病と診断された死亡患者数は1979年には857例であったものが、2000年には50倍以上の5万例近くとなった。(情報源:United Press International、2003年12月29日)

日本の牛肉総輸入量の45%を占める米国牛肉。「需給を考慮する」という農水省は、これまでどおりの供給量の維持を優先しようとしている。しかし、安全こそが最優先されるべきで、食べる量が減ったとしてもどうということはないのだ。むしろ安く大量に畜産物を食べるというこれまでの食べ方を変える機会としなければと思う。

米国の新たな措置

そして、3月15日、米国農務省(USDA)は、BSE検査を大幅に増やすと発表した。高リスク牛と30ヵ月以上の健康な牛の全頭検査を行うという。しかし、年間45万頭近くいるといわれる高リスク牛は検査でBSEが発覚するのを恐れる農民によって殺して埋められてしまう可能性が高い。また、健康に見える高齢牛を対象に2万頭検査するという。しかし、日本では21ヶ月の牛がBSEになっている。この程度の全頭検査を振りかざされても前述のようなずさんな体制のままでは危険である。しかし今後米国が「全頭検査」を一貫として主張してきた日本政府にこの条件で輸入再開を迫ってくる可能性がある。

3)米国産牛肉のもうひとつのリスクー遺伝子組み換えホルモン剤

米国では、全体の約3割にあたる乳牛が、遺伝子組み換えで大腸菌に作らせたrBSTという人工成長ホルモン剤を投与されている。乳量を増やし、搾乳できる期間を延ばすのが目的だ。rBSTを認めているのは世界中で米国のみだ。認可申請を受けたカナダ政府は開発企業モンサント社のデータに人の健康への影響があるとして却下している。日本が輸入する米国産牛肉にもこれが使用されている。

4)抗生物質耐性菌を生み出す畜産

免疫力の弱った動物に抗生物質を使用すると、耐性菌以外の菌は死滅してしまい、そこに耐性菌が感染すると、それが異常に繁殖し、重度の感染症を引き起こす。
抗生物質の餌への投与は、1940年代、抗生物質を工場で作るとき出る残渣を飼料にまぜると雛の成長が増進されるという複数の論文で1951年以降世界中に急速に広まった。有害細菌の繁殖を抑えて成長促進するとの解釈だ。

抗生物質とは、細菌や真菌(かび)などの微生物が他の生物との生存競争で生き抜くために出す物質で、1928年英国フレミングのペニシリンの発見(実用化は1941年)に始まる。第2次世界大戦時、傷病兵の傷治療という軍事面から開発され、商品化された。以降次々と新薬が開発されたが、微生物はすぐに耐性を獲得してしまうので、新薬開発と耐性菌出現のいたちごっこが続き、いまや抗生物質は土俵際に追い詰められ、耐性菌のほうに軍配が上がろうとしている事態なのだ。

バンコマイシンに耐性菌

健康時は問題ない、黄色ブドウ球菌や腸球菌、禄膿菌といった常在菌が抗生物質に耐性を獲得して、抵抗力の低下した入院患者に院内感染症を引き起こす。

バンコマイシンは人の院内感染症の一つであるメチシリン耐性ブドウ球菌(MRSA)の唯一の特効薬(人体専用薬)だ。しかし、2002年アメリカでバンコマイシンが効かないMRSAの保菌者が発見された。バンコマイシンが無力になったことは細菌に人間がほぼ屈服したことになる。(なお2003年5月 新薬「キヌプリスチン・ダルホプリスチン」が登場)。

バンコマイシン耐性腸球菌(VRE)は1980年代後半にヨーロッパで出現。米国では1989年から1993年の5年間でVREによる院内感染が20倍に増加した。日本でも1996年以降感染者がでている。北九州の病院で2002年までの4年間で20人もの死者を出した。VREに感染すると薬がないので死亡率は40〜50%になる。

バンコマイシンと類似の家畜専用抗生物質

なぜ、バンコマイシン耐性菌が生まれたのか。アボパルシンとオリエンチシンは、家畜専用の飼料添加物で、3製品は化学構造が類似しているため、飼料添加物として使用していると、鶏の腸球菌が耐性を得るようになる。鶏(肉)を介しその耐性因子が人のメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(院内感染症)に移れば、もはやバンコマイシンの特効薬としての有効性はなくなる。バンコマイシン耐性菌を作り出したのが養鶏場などでのアボパルシンの多用だ。

抗生物質アボパルシン

1969年放線菌から発見され、米国製薬メーカーが商品化した鶏用飼料添加物アボパルシンが欧州で多用され、デンマークでは病院使用のバンコマイシンの量の1000倍以上を飼料に添加したという。

1986年 フランスでバンコマイシン耐性菌(VRA)を人から検出 わずかな期間で欧州諸国へ拡大
1995年 デンマークが飼料添加物アボパルシン禁止
1996年 ドイツが禁止、EU全体が禁止、日本も指定取り消し
1999年 ベトナムの焼き鳥用鶏肉からVRE検出、
2002年までにフランス、タイ、中国、ブラジル産の鶏肉およびドイツ産の豚肉からVREを検出
2003年 国連コーデックス(国際食品規格委員会)動物飼料特別部会は「公衆の健康と安全が守られていると評価されていない場合は」の条件つきで「抗生物質は成長促進を目的に飼料に用いてはならない」ことを合意。

EUは2006年1月までに抗生物質の成長促進用飼料添加を禁止(コクシジウム剤をのぞく)し、日本は人の治療用と交叉性のある抗生物質については見直しを決めた。

WHO、家畜への抗生物質の過剰投与に警告

1996年堺市など学校給食で発生、患者数六千人を超え、2人が死亡したO―157だが、抗生物質が効かない耐性O―157菌が出現している。O―157の治療薬のカナマイシンに耐性、あるいはストレプトマイシン、ペニシリンなど12種の抗生物質に耐性を持つ菌まで出現している。

細菌がしばしば薬に対する耐性を獲得するのは、薬に触れた後に突然変異を起こすからだ。抗生物質の広範な使用によって細菌が突然変異を引き起こして強力になり、治療が困難な病気がどんどん増えていくのではと、医師や科学者たちは危惧している。病院での安易な抗生物質の使用のみならず、食肉からの移行が懸念されているのだ。

WHOによると、抗生物質を含む飼料の使用を禁止したデンマークでは、耐性菌に感染した家畜の割合が80%から5%に減少した。抗生物質の使用禁止により、デンマークの農家における飼育コストは、1%――ブタ1頭当たり約1ドル――増加したにすぎないという。

医療での使用よりはるかに多量の抗生物質が畜産で慣行的に使用されてきた。成長促進の効果については疑問符も出ている。耐性菌との凌ぎあいに人間が敗北しつつあるいま、抗生物質の食品(畜産や養殖)使用を即刻全面禁止にすべきだ。

5)グローバル競争が脅かす食の安全

WTOとFTA交渉などグローバリゼーションの進展が食肉の安全を危うくしている面を見落しては成らない。グローバル競争の加速、進展により食べものが効率と採算性だけで生産されるようになった。コスト競争が果てしない改良と密飼い、薬漬けなど不自然な畜産を生んできた。

BSEも鳥インフルエンザの蔓延もその結果の象徴的現象ではないだろうか。ウイルス(病気)に強い健康な家畜を作る有機生産に向かうときが来ていると思う。同時に過剰な肉消費(日本の場合1950年に比べ肉消費は5倍)を消費者が見直すことが必要だ。より安く大量に食べたいという市場の要求が世界的競争を畜産現場に強いてきた。健康のためにも、環境のためにも、家畜の福祉のためにも変わるときが来ている。「健康で質のよいものを、少し食べる」方向へ。(「技術と人間」 2004年4月号掲載原稿)
2004年04月25日更新
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ご挨拶
私、安田節子は環境政党「みどりの会議」とともに、より一層政治に参画していく決意を固めました。私が決意したのは、以下の思いによるものです。

子どもの頃夕焼け空いっぱいの赤トンボがいました。ごくあたりまえにいたアメンボウもクチボソもカエルも見なくなりました。大量に使われる農薬や自然破壊が原因です。さらに地球温暖化が進行しており、二〇五〇年までに全生物種の四分の一が絶滅するという予測が出ています。人類の未来も危ういところに来ています。

温暖化の元凶は主に石油エネルギーです。米国のイラク侵略の本音は石油支配とみられています。しかし石油は高々あと四〇年分しかない資源です。そんな石油のために、たくさんの命が奪われ、深刻な環境破壊が引き起こされています。日本がやるべきは高い技術力を生かし、自然エネルギーへの転換を実現することです。汚染が避けられない石油やウランによらず、地域にあったさまざまな自然エネルギーを利用して身の丈のエネルギー自給圏を作ることこそ、国際貢献です。新たなエネルギー産業は環境と経済の調和を創出するでしょう。

世界はBSEの発生や鳥インフルエンザの蔓延に見舞われ、人への感染が強く危惧される事態になっています。これは人間が生命を商品としか見ないで経済効率優先の、自然に反した飼い方を押し進めてきた結果で、自然の報復かもしれません。私は遺伝子組み換え食品に反対する運動に関わってきました。日本はいま、組み換え作物の国内生産の瀬戸際にあります。こうした事態を前に私は、生命や自然をお金のために略奪し、むさぼってきた人間の営みを改めなければ、取り返しがつかなくなると思うのです。本気で有機農業、有機畜産への大転換を図っていくことが必要です。有機農業は人手を必要とします。それは農村地帯が就業機会を提供し、地域が活性化し、そして環境と景観が守られていくことにもなるのです。安全な食べものの供給は国民の健康を守るために必須の政治課題と思います。

また、米国の食糧一元支配のもとで、食糧輸入世界一という日本の状況は食糧安全保障を脅かしています。さらに世界貿易機関で米の関税を下げる圧力が強まっています。米の輸入が当たり前になった日、田んぼが消えます。歴史上無農国はいずれも滅亡しています。基本的食糧の自給をめざし、将来世代が安心して日本の食物で必要量を満たしていくことができるようにしなければなりません。それは国家の責務です。

競争社会はさらに階層化へと進んでいます。しかし、だれもがチャレンジでき、失敗しても復活の機会が平等に与えられる社会でなければ若者に夢を与えることはできません。弱い立場の人たちが切り捨てられていくなら、それは誰にとっても生きにくい社会です。

今日の政治状況は、私たちの平和に暮らしたいという思いを踏みにじる方向へどんどんと向かっています。自衛隊が戦後始めて戦闘行為もあり得る形でイラクに派兵されます。恐ろしいことは国政の背骨である憲法をないがしろにして逸脱行為がまかり通っていくことです。ひとたび軍事行動が始まると、民主主義は制限され、自由でのびのびとした社会は息苦しいものに変わります。じわじわと管理統制社会が近づいてきています。反対をいえなくする社会的締め付けが強まります。そういう社会が来てしまってからでは遅いのです。いま、このときにそれを止める勢力を増やさなければと思うのです。

みどりの会議は小さな始まったばかりの政党です。でも私たちが掲げるこの理念は行き詰った経済・お金至上主義の政治に対する解決の道筋と信じます。ご支援をお願い致します。
2004年04月22日更新
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憲法改変
CIAの特別顧問、デビッド・ケイ調査団長は、イラク戦後、1400人の捜索チームを指揮して大量破壊兵器の証拠捜しを行ったが「イラクは湾岸戦争後、大量破壊兵器を造っていないし、備蓄もない」と言って辞任した。パウエル国務長官は「戦争前に大量破壊兵器がないと分かっていたら戦争を支持したかどうか分からない」と言いだした。そしてブッシュ大統領自身が「私も真実が知りたい」などと言っている。ふざけるな!である。

で、日本の小泉総理は「私もだまされた」とはけっして言わないで、さらに悪いと思えるのは憲法を踏みにじって自衛隊イラク派兵を強行できたことを逆に千載一遇の機会として憲法改変に利用しようとしていることだ。

改憲論者の主張は現在の日本国憲法は連合軍の占領下で制定させられた「押し付け憲法」であり、いつの日か日本国民の自主的な意志によって制定されなければならないというものだ。それでは改憲の動きが活発になっている現在の状況は、憲法制定に相応しい環境といえるだろうか。

いや、憲法制定には最も相応しくない状況と思う。まず米軍基地が日本の国土のなかに存続し続けていること、自分の国に他国の軍隊駐留を許しておいて、なんで自主憲法の制定を口にできるのだろうか。またアメリカ追随の現状に合わせる為に憲法をいじる事は決してあってはならないことだ。自主独立国家の憲法でなくてなんの憲法か。

いまの日本は米国追随国家である。日本政府のドルの買い支え、アメリカ国債の購入がアメリカの戦争を経済的にほぼ総てにわたって支えている。このような隷属に疑問を感じない、いまの政府や国会議員が自主憲法を制定する資格はない。

いのちの講座29号 (04.4.5発行)巻頭言」から
2004年04月12日更新
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小泉総理、自衛隊イラク撤退の決断を!

8日、イラクで3邦人誘拐事件が起こった。日本人を誘拐したイラク武装勢力は、「3日以内の自衛隊の撤退」を解放の条件とし、「自衛隊を撤退させなければ人質3人を生きたまま焼き殺す」との声明文を出した。日本のTV映像では流れない(流さない?)アルジャジーラやAPに届いた映像(リンク 日本ビデオニュース http://www.videonews.com/http://story.news.yahoo.com/news?tmpl=story&u=/040408/481/lon80804081316&e=13&ncid=)の中に自動小銃やナイフの刃をのどに付けられた被害者の姿がある。

3人は差し迫った命の危険にさらされている。この事態の責任はイラク侵略の米軍に付き従って自衛隊を派遣した小泉政権にある。

テロ掃討との理由で銃口をイラン人に向け、発砲し、ロケット弾で民家を破壊し、多くの民間人を殺害している米軍は「侵略軍」としてイラク国民の憎悪の対象となっている。米国の占領政策はイラクの状況を泥沼化させ、ますます危険な状態にしている。自衛隊のイラク派遣は米軍に与し、米軍の友軍となることだ。

しかし、今回の事態の原因から目をそらし、小泉総理は勇ましく「テロには屈しない。自衛隊は撤退しない。」と発表、ブッシュ政権はこれを高く賞賛した。小泉総理は、ブッシュ大統領への忠誠を何よりも優先し、邦人の命を危険にさらしたのだ。いったい、どこの国の総理か?
邦人の命を危険にさらしても守るべき大義が自衛隊のイラク駐留にあるというのか?
「テロには屈しない」と拒否する強硬な姿勢をとれば二度とこのようなことは起きないといえるのか? 否である。

このようなことが二度と起きないようにするためには、とりもなおさず、イラクから自衛隊が撤退することではないか。

ダッカ日航機ハイジャック事件のとき、福田赳夫首相が「人命は地球より重い」として犯人側の要求を受け入れ、人質を救出した。テロに屈しないとして要求を撥ね付けるより、受け入れて人命救出を行うことのほうがどれほど勇気と重い決断がいることかと思う。このときの福田赳夫首相の英断を高く評価する。

小泉総理は、人質救出に万全を尽くすと言っても、日本政府は実際はなんの手立てもなく、所詮米国頼みだ。

それどころか時間が差し迫っている。明日は三日目、どうか、小泉総理、間に合うように「自衛隊イラク撤退」の決断を発表して下さい!

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3人が無事に解放されるよう、以下行動の呼びかけを転載します。

今井紀明さん(18才)
平和のための翻訳家連合TUPのメンバー、劣化ウラン廃絶キャンペーンのメンバーでもあり、NO小型核兵器(DU)サッポロプロジェクトの代表

高遠菜穂子さん (34才)
 イラクのNGO医療支援、ストリートチュードレンのための活動

郡山総一郎さん(32才) 「週刊朝日」の契約フォトジャーナリスト

1)首相官邸緊急抗議行動の呼びかけ
日程
4月9日(金)12:00〜13:00
4月10日(土)12:00〜13:00
4月11日(日)12:00〜13:00
4月12日(月)12:00〜13:00
       18:00〜19:00

集合場所
衆議院議員面会所(東京メトロ国会議事堂駅・永田町駅下車 徒歩2分)
行動原則・いずれも非暴力の行動に徹します。

呼びかけ
●戦争反対、有事法案を廃案に! 市民緊急行動
●フォーラム平和・人権・環境
連絡先
許すな!憲法改悪 市民連絡会 TEL:03−3221−4668
日本消費者連盟        TEL:03−5155−4765
現場連絡携帯・070-5212-0275


2)電話、ファックス、Eメールで、あなたのメッセージを政府に伝えて下さい。

メッセージの基本は、「イラクで拘束された3人の邦人を救うため、自衛隊のイラクからの勇気ある撤退をお願いします」というものです。
もちろん、あなたなりのメッセージに書き換えて頂いて結構です。

メッセージにはあなたのお名前、住所、できればお立場(肩書き、職業など)を伝え、また書き添えて下さい。

※無言電話や嫌がらせは逆効果です。一人の良識ある国民として真摯な対応をお願いします。

■電話・ファックス・Eメールの送り先
●総理大臣 小泉純一郎
 03−3581−5111(衆議院議員会館代表)
 03−3508−7327(衆議院議員会館直通)
 03−3502−5666(  〃 直通FAX)
●防衛庁長官 石破 茂
 03−3581−5111(衆議院議員会館代表)
 03−3508−7525(衆議院議員会館直通)
 03−3502−5174(  〃 直通FAX)
 g00505@shugiin.go.jp(Eメール)

●官房長官 福田康夫
 03−3581−5111(衆議院議員会館代表)
 03−3508−7181(衆議院議員会館直通)
 03−3508−3611(  〃 直通FAX)

●外務大臣 川口順子
03−3580−3311(外務省)

● 自由民主党
電話 03−3581−6211
Emailはここから入ってください

● 公明党
電話 03−3353−0111
FAX 03−3225−0207
Emailはここから入ってください

※首相官邸意見募集サイト
PC用:http://www.kantei.go.jp/jp/forms/goiken.html
携帯用:http://www.kantei.go.jp/k/index.html
2004年04月10日更新
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