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日本の製粉協会、モンサントの遺伝子組み換え小麦を拒否

2003年9月8日CropChoice news  Robert Schubert CropChoice editorより

2003年9月8日、訪米中の日本の小麦製粉協会役員はクロップチョイスの取材に対し、モンサント社の除草剤耐性小麦の商品化は日本で米国小麦の市場を崩壊させる可能性があるとして、反対する立場を表明した。

そして「もし、商業化するなら、これまでの取引は不可能となり、他の産地へ変えざるをえない」と述べた。製粉協会は国内消費の90%を扱う米国小麦の最大顧客であり、2002年度はアメリカ小麦を250万トン(購入全体の53%)輸入している。

数ヶ月前の政府の世論調査で日本の消費者の3分の2が遺伝子組み換え食品を食べたくないということが明らかになっており、「ビジネスの問題としてGM小麦を拒否するのだ。それが安全であるかどうかを議論するのではない」と述べた。

日本政府がモンサントの組み換え小麦を認可した場合、それには表示が必要となるだろう。組み換え成分が5%以上含まれた食品には表示がされる。「たとえ政府が承認しても、われわれは組み換え小麦を拒否するだろう。米国から非組み換え小麦の買い付けに苦労するなら、東欧や黒海地域に目を向けることになる。また日本の消費者には米があるということを過小評価すべきではない」とも述べた。

安田節子によるコメント

モンサント社が開発する遺伝子組み換えの除草剤ラウンドアップ耐性春小麦は米国・カナダで現在認可申請中です。2005年には米国で商品化されると予想されています。

最大顧客の日本がGM小麦を買わないと宣言していることは、認可への強い圧力になるでしょう。米国の小麦を輸入している、日本や韓国、エジプトなどの製粉業者は、いずれもGM小麦にノーと言っています。それは消費者が望まないからです。

5月のクロップチョイスニュースによれば、韓国製粉機産業組合(KOFMIA)の会長は、「もしモンサントの除草剤耐性小麦が韓国に入るなら、消費者はすべての小麦産業をボイコットするだろう。たとえ韓国政府が認可しても、それは加工業者や消費者が受け入れることを意味しない。選択するのは消費者であり、われわれではない」と述べています。

韓国は2002年度、食用輸入小麦237万トンのうち、126万トン(53.2%)を米国から輸入しています。日韓どちらも消費量の半分の小麦は米国産ですが、主食として米を食べ、望まないGM小麦になるなら、消費者は小麦を食べないという選択も取り得ると日韓の業者はともに米国側に警告しています。

また、7月にエジプトの小麦バイヤーは「エジプト政府が組み換え小麦を承認するかもしれないが、バイヤーや製粉業者、消費者は遺伝子組み換え小麦に反対である」と述べました。

輸入国のバイヤーたちがGM小麦の市場投入を嫌うもうひとつの理由は、追跡可能性(トレサビリティ)が求められるようになり、高価なコストが懸念されることです。米国の小麦農家も小麦そのものが売れなくなることを懸念し、GM小麦に反対する人は多いのです。

モンサント社以外、だれも販売を望んでいないGM小麦、これは果たして市場経済のなかで商品価値、存在価値があるのかと問いたい。

この無法なGM小麦を止めるもっとも有効な方法は消費者の食べない、買わないの声を大きくすること、これに尽きます。

パンでも菓子でも、うどんでも、小麦製品に表示されているメーカーの窓口に電話し、あるいはメール、ファックスで、「組み換え小麦になったら、買わない」とどんどん伝えようではありませんか。あなたの一声がモンサントのGM小麦を止める力です!

(2003/9/11)

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