遺伝子組み換え・フランスの研究 モンサントのGMコーン3品種 腎臓・肝臓の機能に明確な悪影響
安田コメント
英国でのGMジャガイモのラットへの給餌実験、ロシアでのGMダイズのラットへの給餌実験に続いて、GMコーンの給餌実験でも有害性が明らかになった。ラットと同じ哺乳類である、家畜や人間が10年以上にわたり、これらを食べさせられてきた。実験を行った研究者たちは実験結果から、商品化に当たって必要とされてこなかった長期の実験の必要性を誰もが異口同音に主張している。ここまで明らかにされた以上、いったん流通を止めて、長期の実験を行い、その結果を尊重することが各国政府に求められる。最大の消費国は日本、こどもたちの世代に影響が現れる前に止めなければと思います。
農業情報研究所(WAPIC)09.12.12より
フランス研究チームが、世界の食料と飼料の中に存在する三つの主要な遺伝子組み換え(GM)コーンをラットに食べさせた実験で、血液と器官のデータ比較分析を初めて提示した。
研究に使われたGMコーンはいずれもモンサント社の製品で、除草剤ラウンドアップ耐性のNK603、殺虫性のBtトウモロコシ2種:MON810とMON863である。分析は、GMコーン摂取に関連した新たな「副作用」を明確に示した。副作用は製品により異なるが、大部分は解毒器官である腎臓と肝臓に関連したものだった。心臓、副腎、脾臓、造血器官への影響も注目される。
研究者は、「これらのデータは、それぞれのGMコーンに特有の新たな農薬成分による、肝腎毒性の徴候を際立たせている」としている。これら三つのGMコーンは、それぞれのGMの特徴に関連したはっきり区別される農薬(NK603においてはグリホサートとAMPA、MON810においては組み換えCry1Ab、MON863においては組み換えCry3Bb1)の残留物を含む。これらの物質は、以前は人間や動物の食物には決して含まれなかったもので、これらを、特に長期にわたって摂取する者への健康影響も知られていないという。
ただし、遺伝子組み換えの直接的または間接的な意図せざる代謝への影響も排除はできないとしている。
研究者は、「我々のデータは、GM作物・飼料・食品の急性・慢性毒性に関する真に科学的に有効なデータを供給するためには、少なくともこれら三つの品種において、追加的な長期(最大2年)の動物給餌研究が行われるべきことを強く勧奨するものだ、90日間の飼育で腎臓と肝臓の機能に明確な悪影響が現れたことからして、このような研究は、特に腎臓と肝臓に焦点を当てることが重要だ」と結論している。
詳細は"International Journal of Biological Sciences"の論文を参照下さい。※研究チームのリーダー、ジル-エリック・セラリーニ教授は、仏のカン大学の分子生物学者。フランス政府(1998-2007)とWTOレベルにおける遺伝子工学に関する閣僚会議(2003, 2008)のためのEUの専門家。「遺伝子工学に関する独立研究のための科学委員会(CRIIGEN)」議長
(2010/03/17)